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ものづくりという雑木森の里山
2015.4.10 

工業系の新聞を開くと、 “ものづくり” の文字が5個や10個、目に入らぬ日はない。

壁紙模様化したようなこの単語から思いつくのは、匠や職人についてだ。ことさら、日本の、と頭につくと零細町工場を思い描く。一品一様の手仕事を代々受け継ぎ工夫し、失敗を重ねながらも確かな物を作り上げてきたであろう歴史を想う。一方、私の “ものづくり” に寄せる思いは、効率とかマネジメント、グローバル化時代と云った量産多売の響きのする世界でもなく、また長年従事して身に着けたさばきの良さや職人技、職人気質とも違った世界なのだ。

*歴史と匠と職人

歴史に作品を残した匠たちは、どんな人生を送ったであろうか。日用生活品として扱われることもなく投機や贈答の対象に囲われてしまった多くの品々の作者は、当時の権力者、資産家、富裕層達のお抱え職人か囲われ作家におさまる道しかなかったかもしれない。

独立独歩の生活者として作品を世に出せたか。床の間や記念館の展示棚を飾った芸術品ではなく、生活品としての作品を、村の鍛冶屋的生産生活者の生業の中で産出し得ただろうか。日々のわずかな糧の為であっても手抜き作りはできなかった。そして己の時間を無制限にかけないでは済まされなかった。その結果として、個人の人生をかけたものしか世に残らなかった、かも知れない。

*負の遺産からの変身応化

以上が “ものづくり” に対する私の負のイメージである。ものづくり者として、ものづくり集団として行き抜いてきた人々は、これからも地域のシャッター通りを増殖させないために、渡り職人やワタリマネジメンターであってはならない。量産製造企業の下請け業か便利屋のかたちでしか継続出来ない “ものづくり” に踊ってはならない。とは言え、この近年の潮流を感ずるにつけ、ものづくりに対する負のイメージは捨て去ろうと思い始めている。東京ビッグサイトや各地で開催される中小生産者の展示場で、それを強く感ずるようになった。各地域の同志的小集団の新製品開発やアピールが盛んであり、この風潮はひょっとすると本物に変身応化していくかもしれないと意を強くしているのだ。

*創出すべき里山

従来然とした下請け姿勢でつなぐか、孤立してブシハクワネド…で通すかでは、雨後に表れては消え去るきのこか、大木にへばり付く寄生木の風景を映し出すしかない。きのこでも寄生木でもない、自ら根を張った種の森が形作られねばならない。その過程で、きのこや寄生木も豊かな森の色づけ役に育って行くであろう。大規模水力発電所を維持するほどの山岳地帯でなく、巨船往来の大河を成すだけの大地でもなく、創出すべきは “ものづくり” と云う多種多様な雑木森に抱かれた里山なのだ。

*循環型衛星社会の網目政策

限定した時間と限定した私的利益空間だけで効率を追求しようとすれば、大資本力を限定地点に投入した前後ぶった切りの短期収支、地域力略奪行為しかあり得ない。これは循環型社会では成立し得ない思想行為と云うものだ。

地産地消を基本とした生業が永続する地域社会こそ、ものづくり集団が目指す里山であろう。そのような衛星社会づくりの水平展開が地球上を網目(ネットワーク)に包む世紀は…いつの日か

                                       Mizukami Seini

其の九
 

ポカミス品(大もれ不良品)流出はどうして起こるか

漏れ検査を実施している工程では、検査方式にかかわりなく、公差から大きくかけ離れた、はっきりNG品であると万人が確認できる大漏れ、ジャジャ漏れ級が市場から上がることがあります。

製造方式が自動化されて高度な技術集積が成された工程ほど公差にほど遠いものが多いことも特徴です。

真面目に黙々とつづけている工程作業員諸氏に濡れ衣を着せる言動は慎むべきことであって、個人的努力だけの強要の上に品質保証をめざしても、市場ポカはなくなりません。

一つの工程から発生するポカミス(ウッカリミス)は年間平均数件とも言われていますが、どうしたら消し去ることができるでしょうか。

予期せぬ時と所からいつのまにか発生しているポカミス。

このポカミス掃討作戦に費やすエネルギーは並大抵の労ではないばかりか、継続的な撲滅効果につながっていないこともわかって来ました。

人為・人手検査とはそのようなものであり、長時間、同じ姿勢で同じ継続作業における人間特有のゆらぎは、工業生産の連続工程にはあまり適さない性質だと認識しなければなりません。

ポカミス流出工程の特徴

測定と判断を人の五感だけで行っている工程
検査品、未検査品の自動区別化をしていない工程
NG品判定品の仕分け処理の確認履歴を取っていない工程

対策項目

ワークの着座確認
未検査品取り出し警報
NG判定品の仕分け処理確認
ラベルはり付けの励行
OK判定品の検印・日付印

其の八
 

漏れ検査工程の合理化案作成と予算獲得のために

◎測定と判断の部位を自動化しよう

構造体の動きをどんなに自動化してもポカミスを撲滅できないし、品質保証の向上につながらない。
漏れ検査は外見には動きの無いところの自動化に目をつけよう。目で見て頭で判断している作業部位の中で、一日連続繰り返しの工程が危ないと認識しよう。

◎省人・省力・時短は最もポピュラー策と考えよう

人の動きと体力でする作業を機械に置き換え、人工減らしができれば、先ずは合理化推進案として初級合格! 予算獲得第一歩。
省人とポカミス対策にも貢献すると考えましょう。

◎市場クレームを一掃しよう

品質保障推進策となると省人・省力・時短のような単純明快な予算振り当て計算が、公式どおりにはめ込めない。だが市場クレームを減らし、市場評価を勝ち取るには、人の知覚と思考判断の分野を自動化することを考えよう。
しかし、この分野の自動化を実現したからとて、1人工も省人しないこともあり、結果を評価する時間を待つだけの力量が、自分の組織にあるかどうかを見極めて静かに笑っていよう。

◎見学ロードを作ろう

生産・検査工程を見学コースの目抜き通りに変えよう。
顧客(メーカ・ユーザ)の信頼を勝ち取るために、最新の品質管理体制と品質保証に対する取り組み姿勢をアピールしよう。

◎路地裏を表参道に変えよう

最も遅れた、最も手つかずに放置されてきた暗い工程に光をあてましょう。
商能向上と作業環境改善に検査行為の自動化は、路地裏を表通りにするようなもので、作業環境が良くなり、作業員1人1人の管理意識が高められ、これに追髄して商能(商品力)が向上すると信じよう。

◎漏れ検査は応化する

省人にも省力にも時間短縮にもならなくても漏れ検査の自動化は、先進の生産工程と成熟した精神集団で増殖発展します。これは進化ではなく応化と言います。
生産ライン構成に柔軟に対応した装置に仕上げましょう。

其の七
 

漏れ検査は相対的静止で決まる

○ ワークと冶具の相対変位は致命的欠陥と認識しよう
○ 対偶が息をし、笑い、騒ぎ出したら、もうお手上げと覚悟しよう
○ 測定中の温度勾配を無視できる自信は?

漏れ検査は漏らさない対策で決まる

○ 開口部の密閉は簡素に単純一重に
 二の矢は通用しないことを学習しよう
 天井板で雨漏りを止めますか(おむつで止められない分をパンツで止めるのですか)
○ 消耗部品を見えないところに閉じ込めたら継続性は無くなるネ
 使い捨て装置をつくるのですか

シール材は力を支えるものではない

○ 固定材とシール材の役割分担をわきまえない設計者は去レ
○ オーリング、パッキンはいつも(毎回)同一歪量になっていますか
○ 手心操作を要する冶具、装置は完成度が低いと心得よう
○ 手ごころがわからない作業者は低能者と自覚せよ

オンライン検査はよごれ対策で決まる

○ 雰囲気のよごれに無関心でも工程は安泰か
○ 浮遊粉塵、沈降、堆積は一刻も止まることなし
○ ワークのよごれは検査前に除くべし
○ 表面のよごれは買い手と売り手の心をよごし
 内部のよごれは造り手と使い手の心をよごす
○ 冶具のよごれに無策稼働を禁じヨ
 一直終了毎に清掃を実行、作業の一環を規定しよう

装置も作業員も休まず健全に継続稼働できる環境をつくることはそんなに難しいことですか

○ よごすナではなく、よごしたら拭ケ
○ きれいに使いましょう ではなく、使ったら手入れシロ
○ 使った者が整備する。清掃員、片付け員を雇ってはいけない

その工程が短期で終るか止(辞)めるなら何でもよいのですが。私どもは10年一単位で考えています

 だからイットの世界もネットの世界も時価総額の世界もツライのです

其の六
 

時代錯誤の門

ある自動車工場あるいはそのグループ工場の正門で、入門てつづき中に守衛氏から「車を門の外に置いて来い」と命令されたら・・・あなただったらどんな反応をするでしょうか。

あなたが今乗りつけた車は、訪問したこの会社またはグループ親会社製では勿論なくて、日本の他社製だからなのだが、自動車業界では今もって、この21世紀の現代においても出くわす光影です(でも なぜか外車は通らやんせ)。

あなたも私も、この会社の下請ではないし、今回はたまたま「おまえんとこのテスタを持ち込んで、漏れ検査をして見せてくれないか」と言うことだったのだが。
そんなときはこのように言ってみましょう
「私の この靴はA社製です。もし御社がB靴メーカだったら、門の外で靴を脱いで来い、と云うのですか?」と。
一方、世の中はそれほど棄てたものでもなく、例え一社でも先進の会社は実在するもので、かろうじて心救われる思いがすることもあります。
”当社は社員にも自他を問わず、気に入った車種での通勤を規制してはいない。どんな車が好まれるのかがわかってくるから” とは、その社の幹部員氏の弁でした。

ここには時代錯誤の門ではなく、勇気と先見の門、そして サ~~~スガの門があります

第三勢力はそのようにして台頭します。

漏れ検査冶具は黒子に徹スル可シ
黒子構造三原則
1.切削加工物には不動冶具を
2.プレス物、溶接物には遊動冶具を
3.少量多品種物には可変冶具を

 

黒子任務三原則

1.ワークと作業の手にキズをつけない形
角・エッジを丸める
接面加工しあげ度を上げよ

2.ワークに損傷を与えない材質
ワーク材質との相性を選定せよ

3.ワークに構造的負荷をかけない構造
局所的独立クランプのこと

其の五
 

今何ができるのか

「わが社はモレナキコトを全社的に徹底させた生産管理をしています。」
と胸を張っておっしゃるところでも、水没気泡目視の官能検査だけでの工程では、時折りポカミス品流出で緊急年中行事があってお忙しいことがあるんでしょう?  と持ちかけると、ニヤリとお受けになって「いや実は・・・・・・」と、 それから話はつながってゆきます。

納品受け入れ側(発注会社)で決めている漏れ限度を守って製造しているのに、見つかったNG品は限度値から3桁も4桁も遠くはなれた大もれジャジャモレばかり

工程では

モレレベルで 5×10-1 atm ml/sec を厳守すること とか
水漏れ限度で 1×10-2 atm ml/sec を死守せよ   とか
冷媒基準で  5×10-5 atm ml/sec を全うせよ   とか

ギリギリの線を決めて検査しているのに。
もし、漏れ限度に照準を合わせることが測定精度上で無理なことをやっているのであるなら、いっそのこと限度設定値を一桁下げることにしましょう。
測定部の安定度、検査装置の稼動安全、オペレータの操作管理能がゆきとどいてはじめて限度値が死守されるものだが、机上談義、会議まとめで決めた数値を現物の設定値に固定しただけで、なんでNG流出が止まるでしょうか。

現物工程は常に時間とともにゆらいでいるもの。
工程管理者はゆらぎに波乗りする技術を知らないでは沈没するか座礁するしかないでしょうね~
製造技術とその管理に心血をそそいでいる工程ならモレナキコトの号令を叫ぶよりも、ポカミス流出をおそれることからはじめましょう。

其の四
 

いじめの壁 エゴの壁

遠くはベルリンの壁、まわりにバカの壁、目の前に いじめエゴの壁。 いわゆるメーカーと呼ばれる最終組付総仕上げ工場のロビー(商談室・打ち合わせ室)の壁面に見かける
大きな張り出し板---------------ワースト10社

いささか古色蒼然たるこの壁は下請納入業者名の晒しの壁 見せしめの壁、 ひょっとすると時には下請登録という壁あるいは羨望の壁になることも有りや無しや

大漏れ品、溶接不良品流出、規 格外品・未検査品混入

ワースト10傑社は納入ロット全数、再検査の憂き目を満喫し、その度に原因検証報告、カイゼン案文作成のため昼夜を徹して奔走する人達を思いやりながら眺める野次馬の壁、同情の壁、反感の壁、万感の壁であったりする。

エネルギーの無駄使いは当該者達が思っているほど誰のためにもなっていない。浪費は命あるもの全ての敵。

何はともあれ緊急年中行事とも云うべき事後補填と言う後ろ向きの忙しさを解消するには何を成すべきか

日常定時較正。測定・判定の自動化。NG品仕分け確認検査合格印、日付押印、未検査品混入防止の工程調節態勢につくり上げよう。

さらしの壁は総力の壁に

かつての晒しの壁はメモリアルホールの歴史の壁、戒めの壁になり新たに協力の壁・団結の壁に生まれ変わるかも知れません。

これらはフイックションではなく製造業界の現実の日常の一齣を投影したものであり、企業・組織・団体を特定するほど少数の現象ではありません。実在の大多数の企業、組織間で半世紀以上にわたって実施されている慣例行事をレポートの形に基づいて、そのまま表現したものです。

其の三
 

校正管理とお墨付

 生産工程における検査装置の較正管理は測定器単独の較正だけで、「ハイお墨付証!」と、すまされるでしょうか。
現場での検査は ワーク + 冶具 + 操作系 + 測定系 + 制御系 の丸ごとひっくるめて検査に関わる系全体から出力される値をもって管理しなくていいの?  不安はないの?  疑問はないの?

あなたが最近乗り換えた愛車の保証書は、エンジンの性能書だけだったり 内装の検定書だけだったら、あなたは安心して乗れますか?

 お墨付とはあらかじめ企画された型枠に従って書き込まれたお札でしょうか。部分的に特名が入れば特札となり、お布施額の低いのは判子、転写、コピー等で以下同文となりましょうか。 (そもそもお札の御利益は、これをチラツカセれば実体を詮索されずに遣り過ごせること、そんなありがたい世の中もありましたね。)
 そんなカラクリの中で生産工程を素通りして行った製品が市場で人命にかかわる事故を起こすことがあったら・・・・・・
それを野放しにしていた期間のアガリで宴会と華麗な日々を謳歌していた人々がいたら、どう裁くことができるでしょうか。

一度に多数の人命にかかわる事故の多くは比較的知名度の高い大組織の生産工程から流れ出た商品に多い、と言ったらそれは独断と偏見だとあなたも思うのですか。

そのような犯罪に組した人達でさえ個人的生活にまで責任が及ばずに過ごせる世の為来りが事故を温存させる道でもあったりしたら一級のスリラー物語りですね。

 現場での実体を見ないで過ごせる世界がどっかりと上空を覆っていたり、生産工程の関連した系全体ではなくて、部分的較正だけのお墨付証を切札として罷り通る制度が存在するかぎり事故はこれからも増殖するでしょう。
事故は事前に防ぐもの、その努力と費やされる労力が報われる社会機構をつくり上げたいものです。

お墨つけ

 許認可制度がほどよく管理され、それぞれの分野で努力する人達にほどよく利益配分される世界があったらこれはゆかいなことですが、お墨付札は本来単なる限度基準であるのに、いつの間にか銭金がぶらさがり権威に結びついてしまう。
一枚の札がそうなのだから、札を発行し管理する人間はその上に押し上げられ易いのは、ごもっともな筋書きだから、そんな筋書きなんか消してしまいましょう。
 お墨を付けて塗り潰しましょう。

かつての大戦の後に国定教科書の行文単語を墨で塗りつぶしたように、虫食い状にではなく 全面に塗り潰しましょう。
お墨が馴染めない世代には、修正ペンにしましょうか

 何はともあれ利権が絡む制度が成り立つ温床を無くするよう行動しなければなりません。 お墨付を必要としない制度を考えましょう。
地球上の何処に居ても、どこのオフィスやどこの現場でも、雨の日も晴れの日も冬でも夏でも朝でも昼でも夜中でも誰でも得られる基準なら、お墨付札に群がる理由が無くなるわけで、権威や制度で押し付けたもの、既得権で囲われたものではなくて、地上の自然現象を基準にできたらいいですね。
 そしたら、その番人の館も儀式もOBも天下りさんもお受け皿も存在する理由が消えるわけで・・・・ それでも己の身を動かさずに何かエーコトにありつきたい願望人種用には、せめて富札をつくるなり、賽子を振ってもろて、一喜一憂してもろたらえぃねんとちゃうやろか。

其の二
 

全数検査と抜き取り検査

 生産工程での漏れ検査(気密検査、リークテスト、漏洩試験)においても抜き取り検査が通用した時代もあったことをふりかえると、技術の進展ばかりでなく知恵の蓄積もあることに、ある種の安堵を覚えます。
 かつて、検査と名が付けば工程の中では余分なこと、生産の足を引っぱる食み出し工程と考えられていたことが今では生産行為の中の重要な一工程であると認識せざるを得ない時代になりました。
抜き取り加工、抜き取り組み立て、なんて言葉が存在しないように、検査においても全数検査でなければなりません。

抜き取り検査が通用する世界

 抜き取り検査の意味とその有効性の論理を理解しないまま、生産工程なら何にでも確率論的に大丈夫と言う流行の時代もありました。
抜き取り検査が有効なのは次の条件が満たされる場合に限ります。
生産物の利用者、使用者、消費者がある程度の数量を使い続けること、1個だけ使用することも、1回だけ活用することもない物であることが前提です。
一人のユーザーが使う量や回数や頻度の中で、不良品に出くわす確率的回数は心情的に許容範囲であるかどうか。メーカ側からすれば、NG品をつかませた不祥が営業販売に影響を及ぼさない程度のものかどうか、ユーザーが不良品をつかんだとき、軽い舌打ちだけで、それをポイと捨て、替り品を気軽に使ってくれる種類のものであるかどうか。
例え量使い対象品であっても、事故につながる可能性の高いもの、命にかかわるもの、大きな損失につながるおそれのあるもの等々、 そのことによって生産者や販売者が起訴されたり損害賠償を請求されたり、企業のイメージダウンにつながる畏れのある生産物に抜き取り検査など通用するわけがない。

全数検査はラインバランス

 製造工程での検査は、ちょうど背骨の軟骨のように各工程間に位置することによって互に不連続な工程の連続化を実現する役割があります。
 オンライン漏れ検査は、一次加工工程が次の二次加工工程につながる生きたラインバランスの管理体制を形成する仕掛け人です。

其の一
 

より速く!

より速く、より多く、より廉(安)く生産することに心血をそそぐ、そんな時代もありました。
○モレナキコトと言う図面指示はそんな時代の生きた化石でしょうか。
○用途目的に合った適正な品質を保証する製品こそ落ち着いた豊かな精神社会をつくる。我がものづくり集団の合い言葉です。

漏れ(気密)と導通(詰り)と耐圧(加圧)は三位一体

実践での生産工程では
耐圧(高加圧)→導通(詰り)→気密(漏れ) の順に自動検査工程とし、一連の流れの中で履行される。
ここでは踊り場や足休めベンチなどは存在しない。
山田村や永田町のように先送りが通用しない世界です。

漏れ検査を自動化するおはなし

全数検査
 生産者の行為に対する確率保証(生産数の中の不良率)ではなくて、需要者に対する個別保証(購入するその1個に対する保証)を目的とします。
抜き取り検査から全数検査への道です。
 100万個の製品の中の一つが不良だと生産者にとっての不良率は0.0001%です。でも需要者100万の中の1人にとっては、100%の不良率かも・・・・・・・・・。
 生産者が見えない時代の需要者にとって、ヌキトリ品質管理法は結果情報管理のない一方通行制度に似ています。
これを改めたのが全数検査の思想です。

限度保証
 人間の官能検査(五官による検知と個人差のある判断と作業動作)に頼らなくなったとき、市場からポカ品の返品が消えるでしょう。 とは云え官能検査を否定したり、低い評価をしているのではありません。 むしろ、官能検査の有用性については別の機会にお話したいと思います。
 漏れの許容値を超える線が漏れ限度ですが、限度を保証しようとすれば、限度値未満の安全率を見越したところを数値化して、これをNG限度とします。
一方で製造技術を低いままにして、限度値の設定をいたずらにキビシクしてみても、不良率を大きくすることになり、生産性が悪いのは検査のセイだと思ったら本末転倒というもの。
 さらに、生産性のモンダイだけで事は片づかなくて、OK判定を出すために再検査をくりかえす検査工程の情景を見ていると、当事者のガンバッテいる姿がナミダグマシクて言葉もありません。
 でも、この作業者はNG判定がやたら多い理由をナニゲニ気付いていたりして。
だからOK表示が出るまでガンバッタリして。
ところがコレがコワイ!しよっちゅう誤報する火災警報ベルのように。
現代狼少年のままなら、まだしも、抹殺されたり、スイッチを切られてしまったら思想までもおしまい。

均質保証
 製造技術水準の高い工程ではNG限度値を上げて人為検査を続けるよりは、逆に従来の検査水準を一ランク下げても、バラツキ幅(公差)を縮めた自動検査のほうが市場トラブルが消えるものです。
工業製品にアタリハズレは似合わない。
 おとといはやたらHiだと思ったら、昨日はLoのご様子、そしてきょうは荒れ模様なんてえのは生身の愛すべき人達だけにしたいもの。