其の五
2015.4.10 

今何ができるのか

「わが社はモレナキコトを全社的に徹底させた生産管理をしています。」
と胸を張っておっしゃるところでも、水没気泡目視の官能検査だけでの工程では、時折りポカミス品流出で緊急年中行事があってお忙しいことがあるんでしょう?  と持ちかけると、ニヤリとお受けになって「いや実は・・・・・・」と、 それから話はつながってゆきます。

納品受け入れ側(発注会社)で決めている漏れ限度を守って製造しているのに、見つかったNG品は限度値から3桁も4桁も遠くはなれた大もれジャジャモレばかり

工程では

モレレベルで 5×10-1 atm ml/sec を厳守すること とか
水漏れ限度で 1×10-2 atm ml/sec を死守せよ   とか
冷媒基準で  5×10-5 atm ml/sec を全うせよ   とか

ギリギリの線を決めて検査しているのに。
もし、漏れ限度に照準を合わせることが測定精度上で無理なことをやっているのであるなら、いっそのこと限度設定値を一桁下げることにしましょう。
測定部の安定度、検査装置の稼動安全、オペレータの操作管理能がゆきとどいてはじめて限度値が死守されるものだが、机上談義、会議まとめで決めた数値を現物の設定値に固定しただけで、なんでNG流出が止まるでしょうか。

現物工程は常に時間とともにゆらいでいるもの。
工程管理者はゆらぎに波乗りする技術を知らないでは沈没するか座礁するしかないでしょうね~
製造技術とその管理に心血をそそいでいる工程ならモレナキコトの号令を叫ぶよりも、ポカミス流出をおそれることからはじめましょう。